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<特別インタビュー 〜〜「海敵アジア」に向けて〜〜>

その1/その2/その3

その2 「お助け侍参上!」の巻

特別インタビュー2回目は、今回客演で出演していただく『ソンハ』役の重永氏と 『リー・師匠』役の毛受(めんじゅ)氏です。 初めて深くかかわる2人から見て、『オグオブ』という劇団はどんなふうに映っている のか? また、本人のエピソード話など、内容の濃いインタビューとなりました。 お二人のキャラクターを存分にお楽しみください!
(インタビュアー:岡野和義)


5年くらい前に…

岡野 「今回は客演のお二人に、いろいろインタビューしたいと思いますので、気楽にお話ください。きっと前回よりはまとまると思うので。よろしくお願いします。」
重永
 &
毛受

「よろしくお願いします。」
岡野 「まず、お二人の役者歴をお聞かせください」
重永 「5年前くらいに野沢那智さんの養成所に入って、だいたい1年後くらいに初めて舞台に立ちました。そこではとてもいい経験をしました。学生からではないというのが特徴かな」
岡野 「…まじめなインタビューだ。毛受さんは?」
毛受 「とりあえず5年くらい前。サラリーマンを辞めてこっちに」
岡野 「へぇ〜〜」
重永 「始めからプロになりたくてっていうのが、普通じゃないのかもね」
毛受 「そうですね」
重永 「この世界に入るまでは、演劇とか見ることなかったね」
毛受 「そうですね。『オペラ座の怪人』とか見ましたが、俺はオペラは合わないな…と。でも、声の仕事はしたいと思ってたんです」
重永 「まっさらで入ってきたのに、出演できるなんて幸せなことだと」
毛受 「確かに。まっさらな分、全てを吸収できましたからね。でも、なんで今でも続けてるか分からない(笑)1年半ブランクありますからね。養成所を卒業してからは2年半…」
重永 「いいのかよ〜真面目な答えで!」
山下 「真面目なフリをしてるんですか?」
毛受 「ま、まぁね。ハハハ」

けーぞーも…恋愛感情とか

毛受 「舞台での役柄って、公演が終わっても残っちゃうんですよね〜」
重永 「けーぞーも残るのかなぁ。恋愛感情とか」
毛受 「僕も恋人役がいる役のとき、本当にその人が好きになっちゃいますからね」
重永 「いいなぁ。オレもやってみたいなぁ」
毛受 「役よりその女優さんを好きになったほうが、役作りが早いんですよ(笑)」
山下 「ふ〜ん」
毛受 「で、その感情が大きくなって、公演が終わったらその関係も終わって、よくメンバーに慰められてた」
山下 「そういうもんですか…重永さんはそういう恋人のいる役ってあるんですか?」
重永 「1回もない!」
山下 「私も、女性に好かれるか、憧れられるかだからなぁ」
重永 「3人の女性とキスをするっていう舞台があったんだけど、その役に外れて舞台監督してた」
岡野 「悲しいですね…」
毛受 「ラブシーンのある舞台って、毎回接するから感情をもっていくのが大変です」
岡野 「聞いてるといい話ですよね(笑)」
山下 「動機が不純ですっ!!」
毛受 「その恋人役がいる芝居のときに、その女性の気持ちが分からないから、その女の子に彼氏がいるのに、お願いして一日デートしてもらった。」
重永 「情は入るね」
山下 「情は入るけど、好きにはならないかな」
毛受 「よく女性を見るようになりますよ」

国語の教師なんです

毛受 「重永さんって、周りと合わせるのがうまいですよね」
重永 「最初はうまいって言われるんだけど、伸びがないっていうのも言われるんだよね。発展しないらしい」
山下 「初見が強い」
重永 「国語の教師なんです」
一同 「えっっっ!?」
重永 「教員免許持ってるんですよ。だから文章を読む力はあると思う」
毛受 「ソンハを見ていて、マリクとのやりとりがうまいなぁと」
重永 「けーぞーとは付き合い長いから」
毛受 「どれくらいなんですか?」
重永 「養成所が同じ」
山下 「そのころからつるんでたんですか?」
重永 「そうですね。舞台デビューするまでお互い厳しい練習をしてたんで」
毛受 「一流のダメ出しって、厳しいですよね」
重永 「その時連帯感ができて、けーぞーとも仲良くなった」
毛受 「海賊チームの呼吸は合ってますよね。重永さんはのらりくらりと合わせてくれる」
重永 「呼吸が合うから芝居しやすいよ。でもクセが強いすぎるからなぁ」
毛受 「キャラが分かりやすい。キャラクターをふまえた脚本ですよね」
重永 「養成所じゃ平均的な芝居をするからね」
毛受 「上からたたかれないように(笑)」
重永 「こういうのが、いい刺激になる」
山下 「あなたがたも、十分濃いですよ!」

(ここで、三好が飲茶のフタを壊してインタビュー中断。古山さんが必死の修復作業。でも失敗)


舞台は目立ったもん勝ち

岡野 「じゃ、次の質問に。(まだ1問終わっただけだよ…)オグオブに参加するきっかけは何だったんですか?」
毛受 「僕は千葉さんですね。同じ仕事場で働いていて。で、誘われて何度かオグオブは観に行ってます。その後に、練習見に来ない?って来てみたら、その日に出演が決まってた(笑)」
岡野 「そういうことだったんですね」
山下 「でも、内沢さんとは結構すれ違いだったんですよね」
毛受 「そう。ま、しょうがない。と」
山下 「どのへんから観てるんですか?」
毛受 「『クローゼンハイツの猫』からかな」
重永 「俺はけーぞーとの仲で、『ダバ=ダビ(第5回公演)』で声の出演ということで来てみたらオラウータンのアテレコで。あれはカルチャーショックだったね(爆)見た瞬間「あれかよ!」と。でも、当て甲斐のあるセリフだったよ。森山修一郎のように」
毛受 「渋かったですよね」
毛受 「『ダバ=ダビ』で小島さん見たとき、一人キャラが違いましたよね」
一同 「(爆)」
毛受 「小島さんは名脇役ですよね」
山下 「内沢さんの好きな役者は濃い人だから」
重永
 &
毛受

「よく分かります」
山下 「器用な役者はいらないらしい」
毛受 「結構自分は演技について反省しちゃうんですよね。仕事中とかにも」
重永 「真面目だ!!」
山下 「考え過ぎると、私は『分からん!!』ってそのうちキレちゃう(笑)」
毛受 「舞台は目立ったもん勝ちですよねぇ」

そんなことまで!?っていうくらい

岡野 「初めて参加して、『オグオブ』という劇団は他の団体と違う点とかあります?」
重永 「クセの強さ!!」
古山 「そうかなぁ…」
毛受 「新鮮ですよね。あと、決め方が細かいことかな(笑)、進行が特に」
古山 「確かにね。たまについていけない…」
毛受 「そんなことまで!?っていうくらい」
古山 「1人か2人だよ。(←誰を指しているのでしょう??)でも、細かいのが全てじゃないよ」
岡野 「言っちゃいましたね。座長(笑)」
重永 「強制されないのびやかさがいいね。養成所はクセをなくすから。だから別の道を探す人もいるしね」
毛受 「もったいないですよね」
山下 「でも、周りは濃いとは思ってないですよね?」
古山 「うん。思ってない」
重永
 &
毛受

「濃いですよ!!」
古山 「規定外だからかなぁ」
毛受 「舞台上で伸び伸び出来る人はそういないですよ」
山下 「誉めてますよ!」
古山 「う〜ん(←嬉しいような、なんなのか複雑な表情)」
山下 「古山さんと三好は舞台上で引っ張ってくれるんです」
古山 「いわゆる、基礎の積み重ねが無くって、セリフをテキトーにやってる身としてはあんまり…」
毛受 「すごい存在感がありますよ!」
古山 「がんばってみようかなぁ…」
山下 「誉められたことがないから、困ってる(笑)」

これでもか!?っていうくらい

岡野 「重永さんは今回海賊の『ソンハ』という役を演じますが、『ソンハ』とはどんな人ですか?」
重永 「『マリク』との関係を考えていくと、いわゆる仲間で親子のようなものなのかなぁと。微妙な距離感が難しいですね。でも、面白いです」
岡野 「毛受さんは今回2役を演じますが、初めて2役というのを聞いたときはどう思いましたか?」
毛受 「できるのか?オレに…って(笑)でも、今では役に煮詰まったときの逃げ道にはいいかなと」
重永 「あの師匠に逃げ道があるのか?(笑)」
毛受 「無意識にやってますからね」
三好 「これでもか!? っていうくらいがいい」
毛受 「うぉぉぉぉ〜」
山下 「あ〜あ、宿題だ…」
岡野 「『師匠』はどんな感じですか?」
毛受 「勢いのみ!」
岡野 「じゃ、『リー』はどうですか?」
毛受 「奥が読めない人」
山下 「得体の知れない人ですよね」
重永 「ミステリアスだよね」
毛受 「彼は表に出ない、いろんな感情を持っている。もしかしたら、誰かに恋愛感情があるかもしれないし。…もう、いっぱいいっぱいです」
岡野 「よく考えてますね〜」
古山 「まったく…でも、こういう人が多いよ」
山下 「古山さん、考えてないですもんね」
毛受 「周りのキャラを見て描くようにしている。だから、役者のプライベートとかも良く観るようにしてます」
内沢 「人としていけないことを見られないように」
重永 「何があったんだ!?」
古山 「うるせぇ!(内沢を叩く)」
毛受 「自分の中だけというよりも、周りと接してできることが重要だと思う」
一同 「すばらしい!!」
毛受 「言葉だけですけど(爆)」
岡野 「じゃ、最後に今回の公演に向けて一言ずつお願いします」
毛受 「楽しい感じで。また、オグオブに呼んでもらえるような演技をしたいと思います(笑)」
重永 「オグオブとしての重永弘毅を観ていただいて、また、オグオブじゃない重永弘毅を観ていただきたい。その2つの反しているところを楽しんでいただけたらなと」
岡野 「プロっぽい言葉だ!!」

<<次回予告>>

公演を間近に迫り、徐々にセリフとアクション覚えのプレッシャー追い込まれていく役者陣。中でも、物語のクライマックスに出演する『マリク』と『メイファ』はいつも以上に真剣モード。ほとばしる汗・絡み合う感情の中、二人が迎える結末とは!?
次回・最終回「愛と哀しみの向こう側」

ご期待下さい!!!